125社めぐり 外宮編

 

125社めぐり 外宮編 お参り18社

 

衣食住の産業の守護神のお膝元をめぐります。神都伊勢のおへそはふたつあります。一つは内宮のおかげ横丁などもある鳥居前町・宇治。もう一つが外宮のある山田です。約1500年前から産業の守護神として豊受大御神が鎮座する町です。外宮の森の内と周辺に豊受大神宮をはじめ別宮、摂社、末社などの社があります。

 

豊受大神宮とようけだいじんぐう

御正宮 祭神、豊受大御神とようけのおおみかみ

【豊受大神宮】三重県伊勢市豊川町279

 

一般的に外宮と呼ばれている豊受大神宮。祭神の豊受大御神は内宮の鎮座より約500年後に天照大神の食事(御饌)を司る神として丹波の国(京都)から迎えられました。正殿の右手奥には外宮を象徴する神の食堂、御饌殿があります。忌火屋殿で調理された御饌を毎日朝夕、大御神へお供えする神事が1500年間欠かさず行われています。豊受大御神は食を中心とした衣食住の産業の守護神です。相殿神として御伴神を東に一座、西に二座祀るが詳細は明らかになっていません。

 

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多賀宮たかのみや

豊受大神宮別宮 祭神、豊受大御神荒御魂とようけのおおみかみのあらみたま 

【多賀宮】三重県伊勢市豊川町279

 

外宮第一位の別宮です。地元では「あらたかさん」と呼ばれています。98段の趣ある石段を登ります。現在は多賀大社の「多賀」の字ですが明治以前は高いところに鎮まっていることから高宮とも書かれていました。豊受大御神の荒御魂が祀られています。心願成就をする方が多いお宮です。

 

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土宮つちのみや

豊受大神宮別宮 祭神、大土御祖神おおつちみおやのかみ

【土宮】三重県伊勢市豊川町279

 

祭神は、外宮の土地の守護神です。元々は土社と呼ばれていましたが宮川の氾濫を治める堤防守護神として大治三年(1128年)外宮の別宮に昇進しました。宮域内で、東向きのお宮は土宮のみです。お宮北側にある空き地で外宮の式年遷宮ご造営のはじめての祭事である山口祭はここで行われます。

 

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風宮かぜのみや

豊受大神宮別宮 祭神は二柱、級長津彦命しなつひこのみこと 級長戸辺命しなとべのみこと

【風宮】三重県伊勢市豊川町279

 

内宮の風日祈宮と同じく風の神です。農作物の生育に関わる天候の風や雨を司ります。鎌倉時代の蒙古襲来時には神風を起こし敵の軍船を沈めて国難を救ったとして末社から昇格しました。

 

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下御井神社しものみいのじんじゃ

豊受大神宮所管社 下御井鎮守神しものみいのまもりのかみ

【下御井神社】三重県伊勢市豊川町279

 

土宮の手前奥に谷間のやや小高いところに板垣で囲まれています。社殿はなく御井に覆屋が造り立てられています。祭神は御井の神です。神々に供える水を汲む井戸で上御井神社の予備の井戸です。「少宮わかみや」とも呼ばれています。

 

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四至神みやのめぐりのかみ

豊受大神宮所管社 祭神、四至神みやのめぐりのかみ

【四至神】三重県伊勢市豊川町279

 

祭神は外宮の境界を守る神です。現在は一か所ですが延暦儀式帳(804年)の記録には200余座を祀るとあります。御殿はなく神座の石体はむき出しです。石体をそのまま参拝します。一本の榊の木が植えまつられています。

 

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御酒殿みさかどの

豊受大神宮所管社 祭神、御酒殿神みさかどののかみ

【御酒殿】三重県伊勢市豊川町279

 

内宮にある御酒殿神と同じく御酒殿の神を祀ります。三節祭(神嘗祭と6月、12月の月次祭)の時には4種類の神酒(白酒・黒酒・醴酒・清酒)をこの殿内に奉納し神前に供えます。一般には参拝できません。手前の建物は忌火屋殿です。参拝できないで屋根が一部見える北御門参道から遙拝します。

 

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度会国御神社わたらいくにみじんじゃ

豊受大神宮摂社 祭神、彦国見賀岐建與束命ひこくにみがきたけよつかのみこと

 【度会国御神社】三重県伊勢市豊川町279

 

御厩のすぐ先に西へ折れると小道があります。大樹をそこそこに配し緩やかな自然のカーブを描いている自然林のすばらしい参道を進みます。

 

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地元、度会の国の守護神です。祭神は明治まで外宮の世襲神主であった度会氏の祖神、天日別命の御子です。外宮宮域の高倉山麓に鎮まる度会大国玉比賣神社と関係が深い。

 

 

大津神社おおつじんじゃ

豊受大神宮末社 祭神、葦原神あしはらのかみ

【大津神社】三重県伊勢市豊川町279

 

度会国御神社からさらに約50m進みます。参道の最奥にある大きな楠の古木のそばに鎮座しています。祭神はその名「葦原」の通り元々は五十鈴川の河口近くの伊勢市竹ヶ鼻、今の神社かみやしろの河口の守護神として祀られていたものです。旧鎮座地が中世以降不明になり明治6年(1873年)にこの地に復興しました。

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上御井神社かみのみいのじんじゃ

豊受大神宮所管社 祭神、上御井鎮守神かみのみいのまもりのかみ

【上御井神社】三重県伊勢市豊川町279

 

毎朝早朝に神様に供える水を汲み上げる神聖な井戸です。神宮の御料水の守護神を祀る重要な神です。神職が水を汲むときは扉を鍵で開けて柄の長い柄杓を用いて自分の影が水面にうつらないようにします。参道は行き止まりです。上御井神社は更に奥の藤岡山の麓にあります。立ち入れませんので大津神社前から遙拝します。下御井神社と同じく社殿はなく覆屋で造り立てられています。

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外宮 詳しくはこちら

 

外宮宮域の高倉山麓に4社、鎮まっています。

外宮を出て御木本道路を内宮側に進みます。外宮神職とその子弟の学舎、豊宮崎文庫の旧跡がありますが、外宮の森沿いに歩いていくとあります。右手に見えてきます。豊宮崎文庫は明治11年(1878年)に焼失し現在は門と築地門を残すだけです。春はお屋根桜と呼ばれる古木の桜が有名です。

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度会大国玉比賣神社わたらいおおくにたまひめじんじゃ

豊受大神宮摂社祭神は二柱、大国玉命おおくにたまのみこと、弥豆佐佐良比賣命みずささらひめのみこと

【度会大国玉比神社】三重県伊勢市岡本町

 

祭神はこの地方の地主神です。「伊勢風土記」の伝承によれば初代天皇神武天皇の時代に天日別命が天皇の命により伊勢を平定に来ました。その時にこの地を治めていた大国玉命は妻、弥豆佐佐良比賣命と持っていた弓を橋にして出迎えこの地を奉納したと伝わります。この地を継橋郷と呼びます。

 

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趣のある手水鉢です。

 

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我理神社いがりじんじゃ

豊受大神宮末社 祭神、伊我利比女命いがりひめのみこと

 

同座、井中神社いなかじんじゃ

豊受大神宮末社 祭神、井中神いなかのかみ

伊我理神社・井中神社】三重県伊勢市岡本町

 

伊我理神社は度会大国玉比賣神社の石段を登っていくと鎮座しています。近年、深刻化する鳥獣害被害。伊勢では外来種のハクビシンやアライグマ被害もでています。こちらの社名は「伊我理」つまり田畑を荒らす獣の猪を狩る神として古くより伝承されています。猪を狩る荒々しい神で、石垣も無骨ですが女神です。石段の下に度会大国玉比賣神社が見えます。山の中にある社で猪が本当に現れそうな雰囲気です。事実、猿の群れが現れます。同座の井中神社は神田の井泉の神です。明治4年に伊我理神社に同座しました。

 

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DSC_2686_2.JPG神社の側には見上げるほどの大楠が生えていて印象深い。

 

伊我理神社・度会大国玉比賣神社を更に外宮の森沿いを500m進むと

 

山末神社やまずえじんじゃ

豊受大神宮摂社 祭神、大山津姫命おおやまつひめのみこと

【山末神社】三重県伊勢市豊川町

 

御田泉水の神です。江戸時代の寛文3年1663年にここに泉水が湧き出していた好所から現在の社地が定められ再興されました。度会大国玉比賣神社や山末神社の前は現在、住宅地ですが外宮の御料田、豊宮崎と呼ばれた田んぼが昭和の半ばまで広がっていました。

 

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 水神様、いかにも社前には湿地帯が広がり、水が湧き出しています。

 

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ここの鳥居は石垣前に接するように建てられており、石垣下には溝が通っており溝と鳥居の幅は約40㎝。人が通れるようにはなっていません。くぐるのに難があります。125社の中でもっとも難解な鳥居です。

 

 

田上大水神社たのえおおみずじんじゃ

豊受大神宮摂社 祭神、小事神主おごとかんぬし

【田上大水神社】三重県伊勢市藤里町679

 

山末神社参道正面は伊勢神宮の木材置き場です。その左手、小さな丘の上に祀られています。地元では「車塚」と呼ばれています。祭神は6世紀、欽明天皇の時代の大神主です。のちに外宮の世襲神主だった度会氏の祖先とされています。御垣内に摂社の田上大水御前神社が東面してご鎮座されている。参拝日2021年2月22日は式年遷宮に伴う修繕工事中なので写真は仮殿です。

 

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 神社の北と南に川が流れています。かつては前方後円墳だったそうです。

 

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田上大水御前神社たのえおおみずみまえじんじゃ

豊受大神宮摂社 祭神、宮子みやこ

【田上大水御前神社】三重県伊勢市藤里町679

 

祭神は田上大水神社の祭神、小事神主の娘です。斎王のお手伝いをしたとされています。田上大水神社の域内に鎮座しています。同じく式年遷宮に伴う修繕工事中でした。

 

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工事車両に「太一」の文字。神宮では天下に一つの大きな仕事をさせていただいているとヘルメットなどにも「太一」マークをしています。

 

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後日、参拝したら遷宮工事を終えて田上大水神社と田上大水御前神社は同じ社地に建ち新しくなっていました。遷宮は125社の全てが20年に一度いっせいに造替されるわけではありません。内宮の正宮と荒祭宮、外宮の正宮と多賀宮はそれぞれ両宮から数日後に、他の12別宮は翌年から翌々年にかけて順次遷宮されます。別宮につづいて摂社以下の造営されるが一部、饗土橋姫神社など例外もあるが新しく造替されるのは40年おきで、20年目に修繕を行うのが基本です。125社すべて立地や日当たりなどの条件が違います。状況により優先順位が決められ、正宮の遷宮から約10年で造営を終える予定です。

まっさらな檜の御垣と屋根だが中の社殿は中間の20年目の修繕ゆえの姿です。

20年に一度の式年遷宮ですがその最初の神事である山口祭は8年前から始まります。10年後まで摂社・末社・所管社の造替が行われるということはほぼ何かしらの遷宮の動きがあるということです。

 

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月夜見宮つきよみのみや

豊受大神宮別宮 祭神は二柱、月夜見尊つきよみのみこと 月夜見尊荒御魂つきよみのみことのあらみたま

【月夜見宮】三重県伊勢市宮後1丁目3-19

 

外宮の北御門口から信号を渡り、神路通りの約500m先にこの別宮の鳥居と森が見えます神域の三方を巡る堀は、かつて宮川の支流が流れていた名残です。昔、この辺りを高河原といいました。祭神は内宮別宮の月読宮と同じく天照大神の弟神です。摂社の筆頭でしたが鎌倉時代の承元四年(1210年)に土宮にならい別宮に昇格し社名も月夜見宮と称するようになりました。お宮北側にある歩道橋の上から望む月夜見宮の森はすばらしい。街の真ん中にある鎮守の森がよく見えます。

 

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高河原神社たかがわらじんじゃ

豊受大神宮摂社 祭神、月夜見尊御魂つきよみのみことのみたま

【高河原神社】三重県伊勢市宮後1丁目3-19

 

月夜見宮の宮域内、社殿の右後ろに鎮座しています。祭神は元々川原坐国成神社と称していました。宮川の高河原といわれたこの辺りの土地の開拓の守護神です。

 

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月夜見宮 詳しくはこちら

 

 

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