伊勢神宮・外宮の別宮 月夜見宮

正宮に次ぐ格式高いお宮、それが別宮です。内宮や外宮の域内にも別宮がありますが、少し離れた場所にもあります。なかでも伊勢から遠く離れた瀧原宮や伊雑宮の別宮のことを「遙宮」(とおのみや)と呼びます。参拝者で賑わう両正宮参拝の後は静かで趣のある別宮をおすすめします。

内宮・外宮には内宮十か所、外宮4か所のあわせて14の別宮があります。そのうち9社が宮域外にあります。

外宮の別宮である月夜見宮以外は内宮の別宮で月讀宮(月讀宮つきよみのみや・月讀荒御魂宮つきよみあらみたのみや・伊佐奈岐宮いざなぎのみや・伊佐奈弥宮いざなみのみや)、倭姫宮やまとひめのみや、伊雑宮いざわのみや、瀧原宮たきはらのみや(瀧原宮、瀧原竝宮たきはらのならびのみや)があります。宮域外の9の別宮巡りをおすすめします。

 

今回は伊勢神宮・外宮の別宮で唯一の宮域外に鎮座する月夜見宮をご紹介します。

 

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 外宮の北御門口から神路通りを北へ約300mですがタクシーの場合、月読宮と間違えられないように「外宮の近くの」と伝えるといいです。(地元では「げつや」と呼ばれているそうです。)

 

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お車の方は境内に広くはないですが駐車する場所があります。外宮の駐車場を利用して歩くのがおすすめです。

「神路道り」は文字通り神様が行き交う道です。地元では神様が通る道の中央は歩いては行けない。左側を慎ましく歩く習慣です。かつては穢れに触れた者はこの道を避けたそうです。現在も舗装中央部分が黒くなっています。

 

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神路通り沿いには伊勢市立厚生小学校があります。卒業生にタレントの楠田枝里子さんやアテネオリンピックでマラソン金メダリストの野口みずきさんらがいます。

   

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外宮宮域外にある外宮の別宮は月夜見宮だけです。古代には高河原と呼ばれた宮川の支流の自然防波上(河岸段丘)にあったことから川の守り神としても崇敬されています。垣根の奥に見える三方をめぐるお堀はかつて宮川の支流の名残だそうです。

 

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鳥居の前で一礼してから進みます。

 

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参道は真っ直ぐではなく石垣でカクカクしています。 

 

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白馬になる石はどれでしょうか?

言い伝えでは月夜見宮入口の石垣の一つが、夜になると白馬と化け、月夜見尊が乗った白馬は夜な夜な外宮へ通うそうです。人々は夜この道を通ることを避け、やむを得ず通る場合には神の馬に触れないように、道の端を歩くそうです。

 

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境内の隅に佇む手水舎。式年遷宮の後にはこの手水舎も新しく建て替えられます。

 

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周りは伊勢市駅前で開けた街ですが境内にはこんな立派な圧倒的な雰囲気の大木があります。高さ約28m。樹齢数百年になる老木です。(大きさを伝えられず写真が二枚に・・・)

 

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月夜見宮の御祭神・月夜見尊は内宮の月読宮の御祭神・月読尊と同一神です。月夜見尊の和御魂と月夜見尊荒御魂の2神を祀っています。月読宮では和御魂と荒御魂を別々の社殿で祀っていますが月夜見宮では同じ社殿で祀っています。一つのお宮で二宮分です。以前は別々の社殿で祀っていたそうですが応永26年(1419年)に火事で焼失してから再興に至らず現在に至るようです。

この神様は天照大御神の弟神ですが古事記や日本書記にはほとんど記述がないエピソードが薄い謎の神様です。ただし「月」=夜とイメージから夜をつかさどる神様として広く浸透しています。延長5年(927年)の延喜式では外宮摂社の首位とされてきました。承元4年(1210年)に別宮になりました。

  

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川の守り神その為、農業神とも関りがあったそうです。その名残か外宮摂社の高河原神社が鎮まれています。

 

高河原神社は月夜見宮社殿の右手後方にあります。御祭神は月夜見尊御魂です。周辺の土地開拓の守り神です。社殿は神明造りの板葺です。

 

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訪れた時は2020年3月に御遷座が予定されている高河原神社の御造替が行われていました。新旧社殿が建っていました。

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ここ宿衛屋で御朱印やお守りなどを受けられます。

現在、崇敬者を中心に月夜見宮奉賛会が組織されて毎年4月19日と9月19日には神恩感謝祭が行われています。

 

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ちなみに月夜見宮社殿の左側後方にはお稲荷さんが祀られています。ただ地元の方によって祀られている民間信仰の為、伊勢神宮とは関係はありません。楠木が焼けているのは第二次世界大戦末期の1945年にアメリカ軍により行われた空襲(宇治山田空襲)の焼夷弾投下によるものだそうです。

 

 

 

月夜見宮

住所 〒516-0072 三重県伊勢市宮後1-3-19 電話番号0596-28-2800  参拝時間:午前5時から午後6時まで。(参拝停止時間は5月から8月までは午後7時まで、10月から12月までは午後5時まで)お札や御朱印のお取り扱いもしています。アクセス 外宮の北御門口より徒歩5分。電車はJR・近鉄「伊勢市」駅のJR側出口から徒歩5分。三重交通バス 「月夜見宮」バス停から徒歩1分。別宮の参拝方法は特に決まりはありませんが外宮参拝のあとに月夜見宮が順当な参拝順序でしょう。

その後で同じ御祭神の月読宮に行くのもおすすめです。

 

 

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