二見興玉神社

二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)は道開きの神として知られる猿田彦大神をお祀りしています。交通安全・災難除けなど万時最も善い方への「みちひらき」のご神徳で知られています。 伊勢神宮・内宮境内も流れる五十鈴川が伊勢湾に注ぐ三角州に形成された伊勢市二見町。伊勢神宮の創建に尽力された倭姫命があまりの美しさに2度見したという由緒ある二見浦に鎮座しています。また二見浦は、古くから「清き渚」と呼ばれ伊勢神宮参拝を控えた人々が心身を清めた禊ぎの浜として知られています。この「浜参宮」と呼ばれる、習わしは現在も受け継がれ「お伊勢参りの前に二見浦で浜参宮」と多くの方々がまず向かう聖地です。伊勢志摩きっての聖地・二見興玉神社と名勝・夫婦岩をご案内します。

 

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伊勢神宮・内宮から車で約10分で到着です。伊勢二見鳥羽ラインが無料化されて信号もなく大変アクセスが便利になりました。先ずは駐車場に到着! 

伊勢神宮・内宮のご案内はこちら

 

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海岸沿いに駐車場がありますがWエンジンのチャンカワイさんはここでプロポーズされました。

 

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「結婚してください!」「宜しくお願い致します。」プロポーズ成功後、夫婦岩にあいさつに行かれたそうです。チャンカワイさんは三重県名張市出身で毎年、家族旅行で訪れたお馴染みの場所だったそうです。

夫婦岩前でのプロポーズ、素敵なお話です。「惚れてまうやろ~♪」素敵な場所だからって、誰でもプロポーズ成功する訳ではないから「気をつけなはれや!」

 

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駐車場の前は白い砂と青々とした松林が広がります。浦島太郎が現れそうな日本の美しい海岸です。

The白砂青松

 

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「日本の渚・100選」にも選ばれ、明治15年に誕生した海水浴場で海水浴発祥の地とも呼ばれる由緒ある場所です。かつて大正天皇もここで水泳の訓練をされたと言われています。

 

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明治15年に日本で初めて開設された海水浴場と言われていますが、湘南の大磯海水浴場なども日本初の海水浴場発祥地としております。詳細は不明ですがとにかく明治時代に開設された由緒ある日本最古の海水浴場のひとつなのは間違いありません。

 

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当時の海水浴は浴活と言い医療が目的でした。今から考えると過激な荒治療です。岩石が露出した磯場は波が強いので皮膚を摩擦するので体にいいと考えられました。多くの杭を立て危険防止の為に縄を張って海水に直接浸りました。これを冷浴といいます。海水を温めて入浴する温浴も同時に始められました。冷浴は滋養不給、神経衰弱、皮膚弛緩に起因する諸病に効き、温浴は虚弱・短気に効くとされていました。それが明治15年頃は夫婦岩の前で実際に行われていました。

 

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江戸時代中期以降、伊勢神宮に参拝するお伊勢参りが大流行しました。おかげ参りの参加者は伊勢神宮参拝前に二見浦を訪れました。「浜参宮」と呼ばれる潔斎を行いました。当時は明治創建の二見興玉神社はなく海中に入り禊ぎを行う場所でした。

 

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神社名を石柱に刻んだ社号標に二見興玉神社とあります。この名前の歴史は古くはなく明治43年(1910年)に二見興玉神社になりました。

 

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 第一鳥居 鳥居の向こうに見える水平線は伊勢湾です。海に向かってお辞儀をする形になります。

 

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鳥居の貫、横柱にはここの神紋、裏花菱が付いています。ちなみに伊勢神宮の神紋は花菱です。

 

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通常、神社境内にペット連れは禁じられています。ここは犬連れの参拝者を見かけます。伊勢神宮では定の一つとして「ペットを持ち込むこと」を禁じる注意書きをお宮前に掲げておりますがここの注意書きには一切ありません。

 

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社殿に向かって左側が狛犬(吽形 うんぎょう 口が閉じています)です。また獅子と狛犬ですが現在は一般的に両方とも狛犬と呼ばれるようになりました。

 

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狛犬 力強く参道の左右を守っています。狛犬の起源はエジプトやインドのライオンです。高麗犬とも書くのは朝鮮半島を経由したことを意味します。通常、社殿に向かって右が獅子(阿形 あぎょう 口が開いています)です。

 

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灯籠のデザイン、猪目(ハート形状)と急須と・・・ざる? あと一つは分かりません。

 

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さざれ石 国歌、君が代に歌われた岐阜県産のさざれ石。もともとは小さな石が年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウムなどが埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化するものらしいのですがここのさざれ石、もともとの石が大きめです。

 

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第二鳥居 海岸沿いに続く参道です。こちらも横柱が上にそっていない神明鳥居です。伊勢湾の潮風が気持ちいいです。「静寂な森」にたたずむ伊勢神宮とはまた違い、身体いっぱいに潮風も感じて青い空・青い海を眼下にのびのびした明るい雰囲気です。

 

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 比較すると良く分かります。伊勢神宮・瀧原宮の参道です。

瀧原宮のご案内はこちら

 

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第二鳥居をくぐると神社の全貌と夫婦岩が遠めに見えます。ここから参拝者から漏れる言葉は「思ったより小さい・・・」「期待外れ・・・」。皆さん夫婦岩をかなり大きいものを想像されてきているようです。夫婦岩 の大きさは、男岩(おいわ)高さ9m、女岩(めいわ)高さ4mです。

 

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天の岩屋 天照大御神が籠られたとされる天の岩戸がここにもあります。奥には岩窟があります。

 

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天の岩戸の伝承地は各地に多々あります。ちなみに高千穂の天岩戸神社はこのサイズです。

 

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天の岩戸前で裸踊りをして天照大御神を再び導き出したアメノウズメの石像があります。御祭神はアメノウズメかと思いきや穀物・食べ物を司る五穀豊穣の神様とされる宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)が祀られています。伏見稲荷大社の御祭神と同じです。

 

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ちなみに二見のお餅といえばここ「御福餅」です。赤福餅と同じく柔らかいお餅をこしあんでくるんだ、あんころ餅です。容姿は良く似ています。違う点は表面の波模様が、赤福餅は五十鈴川の流れを表し、御福餅は二見が浦の波を表しているというところです。知名度は赤福の方が有名ですが御福餅の歴史は江戸時代創業で280年以上ある伊勢の老舗です。

 

「御福」の名は、二見興玉神社の天の岩屋に祀られるアマノウズメノミコトの通称が「御福さん」である事に因むそうです。

 

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輪注連縄 境内には天の岩屋前・拝殿前・皇居・日の出遥拝所前・龍宮社前の4ヶ所に輪注連縄が設置されていますので自ずと目に入ります。これは二見のシンボル、夫婦岩にかかる大注連縄の趣旨は、穢を祓い災いが来るのを防ぎ止める為です。
輪注連縄は小注連縄です。大注連縄の代用です。参拝者が禊斎するためにこれを以て身を祓い社頭に奉献します。「輪注連縄で身体をさすり、身のけがれや身体の悪いところを注連縄に託し、中央へ納め下さい。」と案内があります。初穂料200 現在、初穂料300

 

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お札・お守り授与所が天の岩戸横にあります。

 

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手水舎 手水舎の水は蛙の口からよだれの様にでています。水盤にいる緑色の満願蛙に水をかけるといいそうです。

 

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境内に手水舎以外にも無数の蛙は隠れミッキーマウスならぬ隠れ蛙を探すのもおもしろいかもしれないです。ユーモラスな蛙も多くて和みます。

 

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2014年には境内に設置されていた蛙の像が台風の影響で海に転落したこともありました。クレーン車も出動し救出したちょっとした事件でした。まさにひっくり返る!

これらの蛙は参拝後にご神徳を受けた人々が神社の境内に蛙の像を献納したためです。「蛙」の「カエル」に「お伊勢参りから無事に家に帰る」「貸した物が還る」「お金が返る」の「カエル」を掛けたゲン担ぎから蛙そのものを大事にするようになったそうです。日本神話の古事記・日本書記にはここの御祭神、猿田彦大神の神の使いが蛙とは出てきません。

 

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手水舎の下には蟹もいました。アカテガニでしょうか・・・

 

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みひかりの奉献芳名札 初穂料を納めると(1カ月掲示に初穂料1000円)東側に立つ芳名板に名前が載ります。その名前はご来光を拝みます。名前が毎朝、朝日(天照大御神)の御光に照らされるものです。

 

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富士見橋 夫婦岩の中央から約200キロ先にある富士山の絶景が望める橋です。

 

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ただここから富士山が見えたらラッキーです。その確率は非常に稀です。NHK指原莉乃さんの「さし旅」によれば年間30日程しか見えないと放送されていました。

 

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オオシャコガイ 二見興玉神社の御祭神、猿田彦大神は阿邪訶あざか(現在、伊勢の近隣、松阪市)で漁をしていた時に比良夫貝に手を挟まれて溺死したと神話、古事記では伝えています。この貝がどの貝か解明されていません。シャコガイとする説がありここには沖縄産のオオシャコガイが境内に置かれています。推定150年の大物です。故杉谷名誉宮司は貝の収集家だったそうです。

 

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こんな大きな貝に海中で挟まれたら神様も身動きがとれません。これは志摩マリンランドにあるオオシャコガイ。(マリンランドはコロナ禍で閉館しました)

 

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拝殿 本を伏せたような山形の形状をしている切妻屋根の拝殿です。緩い勾配の長い屋根です。海のそばですから強固なコンクリート造りです。二見興玉神社の御祭神は猿田彦神社と同じく道開きの神として知られる猿田彦大神をお祀りしています。交通安全・災難除け・家内安全など万時最も善い方への「みちひらき」のご神徳があるそうです。こちらでご祈祷・結婚式なども執り行っています。拝殿は後記する夫婦岩が破損した大正時代の台風で半壊しました。

猿田彦神社のご案内はこちら  

伊勢神宮のご祈祷のご案内はこちら

 

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拝殿の後ろに本殿があります。拝殿は切妻造り、本殿は入り口が軒先側にある平入造りの神明造です。拝殿と本殿では建築様式が異なります。本殿は、御神体が鎮座されている神聖な場所です。夫婦岩が印象的で目立ちませんがここが二見興玉神社の中心地です。

 

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蛙おみくじ 拝殿横に設置されています。珍しい真っ白な蛙です。社殿が白色なので同化したのでしょうか?口にはおみくじを含んでいます。引くときは白蛙に手を深く突っ込む姿になりシュールな絵になります。若者たちが盛り上がっていました。300/

 

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授与所 拝殿横に授与所があります。お守り・お札などの授与品が頂けます。

 

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御朱印はふたみの日、毎月23日限定の復刻特別朱印や令和改元復刻版朱印もあります。

伊勢神宮の御朱印のご案内はこちら

 

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絵馬は夫婦岩からの日の出を書いたものです。

 

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大注連縄奉献者芳名板 大注連縄は1本の長さ約35メートル、太さ約10センチ、重さ約40キロの大注連縄5本を、男岩(おいわ)と女岩(めいわ)を結んでいます。

 

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毎年55日と95日、12月中旬の3回「大注連縄張神事」が行われ皆様の真心(ご寄付)で張り替えられています。年に3回しめ縄を張り替えますが台風の影響で切れてしまうこともあります。

 

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皇居・日の出遙拝所 東の方角にある皇居と朝日を拝みます。ここにも輪注連縄があります。

 

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ここまで来ると夫婦岩はすぐそこです。ずっと昔から日々、荒波に洗われているのに、そこにあり続け寄り添い立つ2つの岩。海が荒れている時は岩に砕ける白波の景色は迫力があり見ごたえがあります。歌川広重の富士三十六景にも描かれ、その美しく荘厳な姿が古来より信仰を集めてきたことにも頷けます。ここからが、伊勢のお参りの始まりの意味が、なんとなくわかるような感動があります。

夫婦岩のしめ縄は雨風そしてここでは波も乗り越える夫婦の絆を表しているようです。夫婦岩は見ているだけで何だか幸せな気分になれます。

 

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蛙岩 全長35mの大注連縄を張り巡らせた夫婦岩。周囲にはリアス式海岸ならではの奇岩が多く見えます。夫婦岩近くにあるこの岩は昔は、烏帽子岩と呼ばれていましたが御神威か近年、ここの神の使いである蛙の容姿をなしてきたそうです。

 

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大注連縄は、夫婦岩の沖合約700メートル先の海中に鎮座する猿田彦大神ゆかりの興玉神石(おきたましんせき)と夏至の日前後に夫婦岩の真ん中から現れる太陽と富士山を仰ぎみる「鳥居」の役割を果たしています。約700年前には縄が張られているのが確認されています。男岩の頂上には実際に鳥居が見えます。

浜辺近くなので宮島の厳島神社の海中鳥居のように干潮時には歩いて行けそうです。水上バイクで遊びに来て近づく方もいました。

 

興玉神石は、周囲約850メートル、高さ約7.5メートルの楕円形の平岩だったそうです。これは石といわず岩礁のサイズです。1854(安政元)年12月に発生した安政の大地震「東海・南海地震」で海の中に沈みました。

 

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こちらは夫婦岩で有名な景色です。夫婦岩からのご来光です。倭姫命があまりの美しさに見入って二度見したという由緒ある名前の二見。倭姫命はこの景色を見られたのかもしれません。お正月もこの絶景を見ようと多くの初詣客が集まりますが、海からではなく山から昇ります。冬季は角度的に夫婦岩の間から太陽が昇る光景を見ることはできません。見るなら夫婦岩そばの音無山です。この写真は2020年の夏至です。夏至の晴れは5年ぶりだったそうです。

 

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反対に冬至の季節は伊勢神宮・内宮前の宇治橋の中央からご来光が昇ります。

 

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夫婦岩の日の出は夏至の頃だけです。岩間を昇る朝日をめでる人も多く梅雨にもかかわらず、多くの方がカメラを抱え訪れます。また冬の頃10月から2月にかけては夫婦岩の間より昇る月を見ることもできます。満月の日には大勢のカメラマン・参拝者が訪れます。

 

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今までご紹介してきた二見興玉神社神社ですが1918(大正7)年924日の台風で、社殿のほとんどが壊されました。さらに伊勢湾が作った自然の芸術「夫婦岩」の小さい方の岩「女岩」も根本から折れています。

夫婦岩の復旧工事は総重量40トンと推測される女岩の修復と資金調達で難航しました。復旧工事に2年半かかり大正10年になりようやく復旧案が出来上がりました。そこで鳥羽の菅組(現在「スガテック(東京都港区)」)が「夫婦岩女岩の修復工事」を28千円で請け負いました。工事は女岩と基盤の岩石を鳥羽の坂手島から運び鉄筋でつなぎ、コンクリートで固めたうえ周囲に防波岩を築くなど万全のものでした。工事を無事に成功させました。男岩は1968年(昭和43)に波浪浸食により崩れ始めました。エポキシ樹脂の接着剤を注入しています。以来、夫婦岩はますます強固になり今日に至っています。男岩と女岩の夫婦岩は伊勢湾の波の浸食作用によってできた離れ岩ですから致し方ありません。

 

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干潮時に行けば人工的にコンクリートで固めたのがよくわかります。海鮮割烹の宿 海洋楼前の碑は夫婦岩修復工事完了の記念碑に詳しいです。2021年は夫婦岩倒壊復旧工事完成からちょうど100年になります。

 

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男岩も修復工事を行っている姿も見えます。  

 

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岩の事は詳しくないですが夫婦岩は結晶片岩の一種で海底の玄武岩が低温高圧型変成作用を受けた緑色片岩だそうです。緑色片色は板を重ねたような岩だそうです。参道横の岩にも「//」の様な斜め線が入っているが分かります。岩が薄緑色なのも見えます。宮沢賢治も訪れて標本を残しています。ただ大正10年の春に訪れていますので女岩倒壊時の訪問でした。

 

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今から1350年前の万葉の時代から二見を訪れた文化人は数多くの詩歌を残してきました。二見を詠った短歌や俳句を碑として周辺に健立しています。

 

「うたがふな潮の花も浦の春」 松尾芭蕉 

 

意味、二見の春はよそと違って夫婦岩に砕け散る波の花でその到来を知ることができる、それを疑うな。

 

 

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「初富士の鳥居ともなる夫婦岩」山口誓子

 

意味、冷えて澄んだ大気の中、夫婦岩のかなたに富士山が現れ眼前の夫婦岩がまるで富士の鳥居のようだ。

 

 

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「いつみても かはらぬ伊勢の 二見岩 夫婦はなかよく くらせといふらん」中村九一郎
意味、いつ訪れて来ても変わらない夫婦岩の均整のとれた美しさ、その美しさに夫婦和合の励ましを受けた。

 

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句碑を読みながら進み禊橋を渡ります。

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契りの松 渥美清さんの男はつらいよシリーズ 39作目『男はつらいよ 寅次郎物語』のロケも二見で行われました。ここら辺で撮影されました。

 

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禊橋の近くの下を覗くと禊ぎ場のような所があります。なので禊橋なのでしょうか。

 

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再び手水舎があります。こちらは龍宮社の手水舎です。なので龍口から水が流れています。 

 

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 龍宮社 二見興玉神社の境内社で海の守り神・綿津見大神(わたつみのおおかみ)が御祭神です。約200年前の寛政年間(江戸時代)の大津波をきっかけに創建されました。朱色の社殿が寺院の様に見えます。

 

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毎年、旧暦の5月15日には龍宮社の例祭に併せて津波災害の供養と海上安全を祈願が行われます。

 

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これは寛政年間の大津波が起こった日です。 

 

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 ここの狛犬は狛蛙?です。

  

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 奉献酒 伊勢神宮で日々お供えされている御料酒、白鷹。同じものでした。

 

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ここにもお札・お守り授与所があります。二見興玉神社、広くない境内に計3か所お受け所があります。

 

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龍宮社を過ぎると朱色の鳥居が見えてきます。二見興玉神社は入口が2か所あります。伊勢シーパラダイス(水族館)側からも参拝できます。所要時間約30分です。

 

 

おまけ

 

 

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二見興玉神社の歴史は、夫婦岩に注連縄を張り、興玉神石の遙拝所を設けたのに始まります。もともとは天平年間(729749年)に東大寺造立の責任者で有名な行基が創建した太江寺の鎮守社でした。この興玉神が二見浦に遷座して明治43年(1910年)に現在の二見興玉神社と改められました。

 

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二見興玉神社から徒歩10分で太江寺です。太江寺の本尊、木造千手観世音菩薩坐像 は鎌倉期に造られた、国の重要文化財です。この菩薩像の中に興玉神社の御神体である観音像が納められているそうです。二見のお越しの際には、元興玉社が祀られている太江寺も是非お参り下さい。本堂の横でひっそりと祀られています。

 

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太江寺から更に10分程歩くと二見興玉神社の飛び地境内社、栄野神社です。ここは毎年1月14日11時に執り行われる湯立て神事が有名です。大釜で沸かした熱湯のしぶきを浴びて無病息災を願う神事です。熱湯を浴びて熱さに打ち勝つことで心と体が清められるとされています。直径80㎝の釜でたっぷりの湯が沸かされ神職がクマザサの束を湯に浸したあと参拝者に熱湯のしぶきを飛ばします。クマザサには神様の力が宿るとされ最後に参拝者に配られます。

ぐつぐつと煮立った熱湯を衣服を身につけていない顔などに浴びると実際に熱いですが有難い神事です。

 

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二見は関西出身50代以上の方は修学旅行で訪れた懐かしい場所ではないでしょうか。夜間にまくら投げをした思い出もあるのではないでしょうか?昭和35年(1960年)には約50万人の修学旅行生が訪れましたがその後、減少しました。二見にはJR二見浦駅からの街道沿いに旅館街があります。お土産屋さんなどは修学旅行生が溢れた古き良き時代の昭和を感じられます。賑わっていた時には観光馬車がこの道を走っていました。

 

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 JR二見浦駅の駅舎は夫婦岩の姿をしています。

 

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 賓日館(ひんじつかん)は明治20年、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として建設されました。明治天皇の母にあたる英照皇太后のご宿泊に間に合うようにと、明治1912月に着工、翌年219日に竣工。2ヶ月という短期間で格調高い建物が完成しました。明治24729日から3週間余り、ご幼少時の大正天皇が避暑や療養、水泳訓練などを兼ねて滞在されました。

 

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現在は宿泊施設としての役割を終え資料館として一般公開されています。国の重要文化財です。

 

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同じく二見旅館街にある老舗旅館 朝日館清風荘でも昭和26年、昭和天皇がご宿泊されています。

 

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二見興玉神社とは関係はありませんが鎌倉時代に書かれた「倭姫命世記」によれば二見は天照大御神を祀る地を求めて訪れた倭姫命がここの地主神、佐見都日女命(さみつひめのみこと)から「堅塩」を贈られて以来、伊勢神宮に献上する御塩の製塩所があります。二見興玉神社から車で約5分です。

倭姫宮のご案内はこちら

 

 

 

二見興玉神社参拝時の注意点

 

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➀悪質な客引きがいます。

 

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②冬は海風が強く非常に寒いです。完全防備で行くことをオススメします‼️また冬季以外でも満潮時や強風時は海が目の前なので波をまともに被ります。

 

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③駐車場は無料と有料があります。有料駐車場は1000(お土産を1000円以上買えば無料)です。国道脇で駐車場を案内している方は有料駐車場の方です。無料駐車場は海岸沿いにあります。

 

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1日で二見興玉神社外宮内宮と参拝と観光計画を立てているならば、時間配分をしっかりとされる事を推奨します。何故ならば内宮の門前町であるおかげ横丁・おはらい町の散策時間まで視野に入れると、ほぼ一日かかります。

 

⑤海辺のきれいな風光明媚な神社です。規模は大きくないので、短時間で十分見て回れます。海沿いの開放感があり狭さを感じません。ただツアーの観光客がくると一気に混雑し境内の雰囲気が変わります。そこは大きくないので仕方ありません。

 

以上5点ご注意下さい。

 

二見興玉神社

住所:〒519-0602 三重県伊勢市二見町江575 電話番号:0596-43-2020 FAX:0596-43-2015 お問い合わせ時間午前9時から午後4時まで

アクセス:JR参宮線「二見浦駅」より徒歩15分、JR・近鉄「伊勢市駅」または近鉄「宇治山田駅」よりバス約20分「夫婦岩東口」下車徒歩5

 

 

 

ガイドツアー付き・一人でも安心・内宮近くの参宮の宿 宿屋五十鈴