125社めぐり 鳥羽・志摩編
125社めぐり 鳥羽・志摩編 お参り7社
豊かな海の幸に恵まれた鳥羽・志摩は倭姫命によって御贄地(お供えを採るところ)に定められ、古来より神宮と朝廷の御料を貢進してきた地域です。
赤崎神社あかさきじんじゃ
豊受大神宮末社 祭神、荒崎姫命あらさきひめのみこと
【赤崎神社】三重県鳥羽市鳥羽5丁目2
鳥羽湾の入江の奥に祀られています。祭神は湾内の海岸から外宮へ奉納する御贄みにえ採取の守り神です。地元では「赤崎さん」と呼ばれ産土神としても親しまれています。
125社めぐりの中で他の参拝者とお会いしたのは内宮と外宮・別宮を除くとここと河原淵神社のみ。鳥羽で唯一の伊勢神宮の社ということで地元の人の信仰が厚いのだろう。
石段下に赤崎大明神道と彫られた石標があります。由縁があるのでしょうか赤崎神社は赤土の上に鎮座しています。
入口近くにはかわらけ、素焼きの土器も見えます。神事では清浄を重んじる為に使い捨て土へ還されます。
祭神は荒崎姫命ですが、ここでは赤崎大神となっています。
125社めぐりのでは珍しいカンカンの賽銭箱です。
社殿の左側にある石垣で囲まれた空き地はかつて社殿があったそうです。また海の方を向いて立っていたともいわれています。
今では二本の木が真っ直ぐ育っています。
6月22日の例祭では赤崎祭が行われます。別名、ゆかた祭りと呼ばれ鳥羽ではその年初めてゆかたを着る日とされています。参道には夕方から提灯がともり毎年、多くの人で賑わいます。神社前の路地にはたくさんの露店が並びます。
境内では神宮宮域内から採った杉の小枝が授与されます。流行病厄除け祈願として各家の門戸に逆さまにつるすのが風習です。
伊雑宮いざわのみや
皇大神宮別宮 祭神、天照大御神御魂あまてらすおおみかみのみたま
【伊雑宮】三重県志摩市磯部町上之郷374
古くから内宮、外宮に並ぶ「伊勢三宮」の一つとして尊ばれていました。規模も大きく五丈殿と同じ姿の祓所や忌火屋殿(神様の台所)もあります。また地元では「いぞうぐう」、「いそべさん」と呼ばれ漁業関係者から篤い信仰があります。なかでも漁師・海女は「磯守」を受けて身に着けて海に入る風習があります。6月24日に行われる御田植式は香取神宮・住吉大社と共に日本三大御田植式として有名です。
佐美長神社さみながじんじゃ
伊雑宮所管社 祭神、大歳神おおとしのかみ
佐美長御前神社四社さみながみまえじんじゃ
伊雑宮所管社 祭神は4柱 佐美長御前神さみながみまえのかみ
【佐美長・佐美長御前神社四社】三重県志摩市磯部町恵利原穂落1272-1
磯部小学校近くにあり地元では「穂落さん」とも呼ばれます。昔、大歳神(五穀豊穣の神)が化けて真名鶴になり稲穂をくわえて飛んできてその穂を落としました。倭姫命は鳥すら御田を作って天照大神に奉るとおっしゃり、その稲の生育地を千田と名付けました。その場所を祝い祀ったという伝説があります。地元では稲の豊穣や病害虫駆除の祈願をする人もいます。一方ではこの土地の開拓神である伊佐波登美神およびその子孫の霊を本社と御前社に祀ったという説もあります。
社頭の井戸
趣のある35段の石段を直線的に昇ります。
視界が開け広々とした社殿が見えます。スペイン村などもある志摩の地に相応しい開放的な雰囲気です。
手前が佐美長神社
珍しい伊雑宮所管社
佐美長神社の古殿地中央には石が立っています。
佐美長神社の奥には簡素な佐美長御前神社四社が石段の上に行儀よく並んで祀られています。佐美長御前神社四社は125社の中で一番南東にあります。佐美長神社と共に珍しい伊雑宮所管社です。